妊婦生活も9か月目に入り、いよいよ出産まで残りわずかとなりました。振り返ると、妊娠が分かった日から今日まで、本当に長い道のりだったように思います。
実際に経験してみないと分からないことばかりで、妊娠生活は想像以上に大変なことも多く、「早く出産の日が来ないかな」と思う日もありました。
記憶が新しいうちに、アメリカでの妊娠・出産について、少しずつ書き残していこうと思います。
湿疹とともに始まった新年
2024年12月にローマで開催されたPOSA World Pole Art Championshipに無事出場し、年末年始はのんびり過ごしていました。年が明けて間もなく、はじめは両腕にでた湿疹が首や太ももに広がり、夜は眠れないほどの痒みに襲われました。
市販の湿疹用クリームを使っても改善せず、気づけば全身かきこわした痕だらけに。すぐにかかりつけのクリニックを受診しました。
かいてはダメだと分かっていても、かかないといられない痒みがとてもつらかったです。
まさかの診断と誤診
その日は医師が不在で、診療看護師(Nurse Practitioner)の診察でした。診療看護師とは、医師の監督なしで診断や処方など一定レベルの診療を行う看護師です。
症状を伝えると、診断はScabies、疥癬(かいせん)。ダニの一種が皮膚に寄生しているというのです。
思いもよらぬ診断で混乱しました。うちはペットはいませんし、どこで感染したか見当がつきませんでした。検索すると潜伏期間は1~2か月とのことで、12月のイタリア旅行での感染を疑いましたが、一緒に暮らしている夫に症状はなく、疑問が残りました。
薬が処方され、家の寝具などを漂白剤で洗濯するよう言われました。痒みは2日くらいで治ると言われましたが、改善せず、夜はほとんど眠れない日々が続きました。
再びクリニックを訪れると、今度は医師が診察し、「これはScabiesではなく、アレルギー反応だ」とのこと。同席していた診療看護師は医師に謝っていましたが、私には何も言わず…。今考えると腹立たしいですが、その時は家中の洗濯と寝不足で疲弊していて、怒る気力すら残っていませんでした。
そして妊娠発覚へ
アレルギー注射と薬で一時的に症状は治まりましたが、数日後には再び悪化。さらに強い薬を処方されたとき、注意書きに「妊娠中は服用できない」とありました。
ちょうどその前日、日本の母に相談したところ「妊娠検査薬を試してみたら?」と勧められたのを思い出し、半信半疑で検査。これが妊娠発覚の瞬間でした。薬を飲む前に妊娠が分かって良かったのですが、アレルギー注射やScabiesの薬は大丈夫だったのか心配になりました。
産婦人科初診は1か月先
すぐに産婦人科クリニックに連絡しましたが、予約はなんと1か月以上先。しかも「初診は10週以降、それ以前は診ない」とのこと。日本では妊娠が分かればすぐ病院に行くイメージがあったので驚きました。念のため他の病院にも連絡しましたが、同じ対応でした。
湿疹のことも伝えましたが、「妊娠が原因の可能性は低いので、皮膚科に行ってください」とだけ。保険の都合で皮膚科を受診するには紹介状が必要な場合があるため、再びクリニックへ行き、紹介状を書いてもらいました。私が加入している保険では、紹介状は必要ないはずなのですが、病院によっては紹介状がないと診てもらえないこともあるので、念のため貰いました。クリニックでも、湿疹と妊娠は関係ないと言われましたが、こんなことは初めてですし、絶対に湿疹は妊娠が原因だと思いました。
日本の医療が恋しい
ここまで読んでくださった方は、なぜすぐ皮膚科を受診しなかったのか、他の病院やクリニックに行かなかったのかと疑問に思う方もいると思います。
私もできることなら誤診されたクリニックには戻らず、他の病院へ行きたかったのですが、アメリカの保険の都合上、すぐ他の病院へ行くのは中々難しいのです。新しい病院へ行くとなると、まず加入している保険が使えるかの確認から始まり、また初診となると予約までかなりの時間がかかるのです。
そして、なんと言っても保険が適用されても医療費が高額で、病院へ行くのが億劫になってしまうのです。以前、腹痛で病院へ行った際に、食事指導だけで100ドル以上かかったことがあり、それから病院への足が遠のきました…。健康が第一ですし、早めの受診は大切です。でも、アメリカの医療制度には中々慣れず、こんな時日本が恋しくなります。
次回は皮膚科と産婦人科受診について書こうと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。