米人気リアリティ番組『Survivor』(サバイバー)をご存じですか? 2000年から41シーズン放送されている人気番組です。
先月(2021年12月)にシーズン41の放送が終わり、シーズン42も3月に放送予定です。
シーズン41の初回に司会(Host)を務めるJeff Probst(ジェフ・プロブスト)が “Come on in guys.” という参加者をチャレンジに呼び入れる決め台詞を “Come on in.” に変更しました。 普段何気なく使う言葉について考えさせられる回でした。
今回は、『Survivor』の決め台詞の変更についてまとめました。(注:一視聴者の見解です)
1. 米リアリティ番組『Survivor』とは?
*以下、一視聴者の見解です。
約20名の一般人が無人島で39日間(シーズン41は26日間)サバイバル生活をしながら、 脱落者を投票で決めていき、最後に残ったファイナリスト3名から勝者1名を今度は脱落者の投票で決めるサバイバルゲームです。
投票数を集めるために仲間との団結は必須で、参加者の数が減るたびに戦局が変わり不利な状況を覆すために仲間を裏切ることも。
目まぐるしく変わる状況下での参加者の心理戦は見ものです!
勝者には100万ドル(約1億円)が贈られます。
投票は毎回予想が難しいので誰が脱落してしまうのか目が離せません!
参考(Reference):Survivor Official Site(『サバイバー』オフィシャルサイト) Wikipedia: Survivor (American TV series)
“Come on in guys.” とは?
通常『Survivor』では、参加者が2~3つのチームに分かれて「チャレンジ」と呼ばれるゲーム対決をします。
ゲームは障害物やパズルをチームで力を合わせてクリアしていくものです。
対決で負けたチームは、チーム内で投票してその回の脱落者を決めなくてはなりません。 勝ったチームは投票をしなくて済むので、チーム全員次の投票まで脱落の心配はありません。
回を追うごとに人数が減るので、チーム戦ができない人数になると個人戦になります。
個人戦の勝者はその回で生き残る権利を与えられます(その回での投票では勝者に投票ができません)。
障害物やパズルがあるチャレンジの開催場所にJeffが参加者を呼び入れるセリフが“Come on in guys.”でした。
訳すなら「皆さん、こちらへどうぞ」と言ったところでしょうか。 番組の雰囲気だともう少しくだけた感じで「みんな、こっちへ!」くらいの訳が適切だと思います。
“Come on in guys.” から “Come on in.” へ
シーズン41の初回、いつものようにJeffが “Come on in guys!” と参加者をチャレンジの場に呼び入れました。
その直後、Jeffが参加者に “guys” 使用の是非を問いました。 自身がクィア(Queer)女性であるという参加者は、この台詞が番組定番で“guys” という言葉に疎外感は感じないからそのままで良いと話しました。その場ではその他声を上げる参加者はいませんでした。
しかし、次のチャレンジで別の参加者が改めて自身の考えを話し、“guys” は使用するべきではないと主張しました。
理由は、21年におよぶ『Survivor』の歴史の中で番組も変化し、様々な人種やセクシャルティの人が参加するようになったから。
Jeffもその意見に賛同して、以降 “Come on in.” にすると決断しました。 “guys”だけではなく全ての人を含めた台詞に変更したのです。
参考(Reference):Here’s why ‘Survivor’ host Jeff Probst will no longer say ‘Come on in guys’ by Marina Pitofsky USA TODAY
2. “guys” って何? なんで変更したの?
“guys” の意味
手元にある辞書で“guy”を引いてみると…
*ランダムハウス英和大辞典より抜粋 1 <<話>>男、あいつ、やつ 2 <<guys>><<米>> 人々、君[あなた]たち(男性だけでなく、男女の、また女性だけのグループにも用いられる) 名前のない[分からない]小さな物を指して)何とかいうやつ、こいつ
という意味が載っていました。
2にあるように、人々・君たちという意味でジャンダーニュートラル(性的に中立)な言葉としてよく使われていると思います。
変更の理由
現在でも“guys” はよく耳にしますが、調べてみると数年前から “guys” の使用を避ける人が増えているようです。
その理由は、上記の辞書にあるように “guys” は本来男性を指す言葉であり、疎外感を感じる人もいるため。“guys” ということにより男性であることが前提となり、特に男性が多い職場などで “guys” を使うと自分を“guys”と認識していない人の疎外感が強まってしまうということです。
参考(Reference):The Problem With ‘Hey Guys by Joe Pinsker
3. 個人的な感想
番組で20年以上使われた決め台詞、生活の中でまだまだよく聞く“guys”という言葉。
今までなんの疑問も抱かずに使っていたので、数年前からそんな動きがあったとは驚きでした。
生活の中で“Hi guys!”という挨拶が無意識のうちにしみついていた気がします。 そうやって無意識のうちに排他的な社会を作っていたのかもしれない、と考えさせられる回でした。
誰もが対等に参加する社会づくりには、こういった身近な言葉から変えていく必要があると感じました。
まとめ
今回は、米人気リアリティ番組で決め台詞の“Come on in guys.”が“Come on in.”に変更したことについてまとめてみました。
時代とともに使われる言葉も変化していますね。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!