アメリカ生活も10年が過ぎ、私生活で困ることも減った今日この頃。それでも振り返ってみると、「あの時は危なかったかも…」と思う出来事がいくつかあります。今日はその中の1つ、運転中にパトカーに止められてパニックになった話をしたいと思います(※これは10年以上前の出来事です)。当時は運転免許を取って間もなく、パトカーに止められたときにどうすればいいのか全く分かりませんでした。そして咄嗟に取った行動は…実は、一番やってはいけないことだったのです。
通勤中、バックミラーを見たらパトカーに追いかけられていた
※これは10年以上前の出来事です。
当時、私は幼稚園の先生をしていて、毎朝車で家から約15分ほどの幼稚園まで通勤していました。
その日もいつものように家を出て、あと5分ほどで到着するはずでした。
ふと、チカチカと光る青と赤のライトに気づき、バックミラーをのぞくと…すぐ後ろにパトカーが。回転灯がついているということは、間違いなく私を追ってきている証拠です。
「スピード違反?」と慌ててスピードメーターを確認するも、そこは住宅街で制限速度は25mph。ギリギリの速度で走っていたので、違反ではないはず…。
しかしそのとき走っていたのは交通量の多い大通り。すぐには停まれず、横道に入ろうと車線変更しました。
「どうか、このまま通り過ぎて…!」と心の中で祈りましたが、パトカーはぴったり後ろを離れません。
仕方なく横道に入り、安全な場所に停車すると、パトカーも私の後ろで止まりました。
運転経験が浅く、しかもアメリカで警察に追われたのは初めて。完全にパニック状態で、「一体なぜ?」と考えても答えは出ず、とにかくどうすればいいのか分かりませんでした。
一番やってはいけないことをやってしまった…危うく大惨事に!
パニックに陥った私は、無意識のうちに運転席のドアを開けて車から降りようとしました。
決して逃げようとしたわけではありません。むしろ警察の方に協力したい気持ちから、私のほうからパトカーに近づいた方がいいのではと思ったのです。
というのも、ふと日本のドラマか何かで見た、パトカーの中で事情聴取を受けるシーンを思い出したからでした…。
しかし、ドアを開けた瞬間、警察官の怒号が響きました。
「Stay in the car!」
驚いた私は慌てて運転席に戻り、ドアをバタンと閉めました。
警察官との対面
警察官の緊迫した大声に、緊張というよりも恐怖が勝りました。
心臓が飛び出しそうなほどドキドキしながら、なんとか座り続けました。
しばらくして、警察官が運転席の外に出てきました。
「窓を開けてください」と言われ、震える手で指示に従いました。
パトカーに止められた理由
パニック状態で頭が混乱する中、警察官から「止められた理由がわかるか?」と尋ねられました。
わからなかった私は、正直に「わかりません」と答えました。
すると、警察官は車のナンバープレートの有効期限が過ぎていると言いました。
何のことか全く理解できなかった私は、思わず「何ですか、それ?」と尋ねてしまいました。
ナンバープレートに貼るステッカー
アメリカでは、ナンバープレートに有効期限が記載された車両登録ステッカーを貼ることになっています。
このステッカーは毎年更新が必要で、場合によっては2年分まとめて支払うこともできるようです。
私の車のステッカーの有効期限が切れていたため、警察官に止められたのでした。
パニック状態だった私は、そのことに気づかず、警察官の説明を聞いてやっとステッカーの貼り替えを忘れていたことに気づきました。
チケットは免れたけど…
「ステッカーを貼り替えるのを忘れていました」と警官に伝えると、帰宅後すぐに貼り替えるように言われ、その場はチケットを切られず注意のみで済みました。
その後、やや遅れて出勤し、同僚に今回の出来事を話すと、
「チケットを切られなくてラッキーだったね。でも車から出るのは危ないよ、撃たれていたかもしれないよ」
と言われ、背筋がゾッとしました。警官に車を止められたときは、窓も開けずに警官が車で待機し、指示に従うのが基本だそうです。また、必ずハンドルに両手を置き、警官に手が見えるようにすると教えてもらいました。こういうことは、免許取得時に教えてほしい…。
アメリカは銃社会であり、知らないと危険なこともたくさんあります。今回の出来事もその一例でした。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
これからもマイペースに体験談を更新していきますので、また覗いていただけると嬉しいです。